『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』

 

ハンスロスリング

 

日経BP社

 

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=X6Z4q76LuyM

 

 

 

 

 

1分断本能

 

乳幼児死亡率は、社会全体の体温を計ってくれる巨大な体温計

 

低所得国に住んでいるのは世界人口の9%しかいない

 

生まれた時からレベル4にいる人には、ほかの3つのレベルがそれぞれ大きく異なることを想像するのは難しい。

 

ジャーナリストは人間の分断本能に訴えたがる

 

相対的貧困。アメリカではレベル3の暮らしをしていても貧困層

 

「下界」に住む人にとって、レベル1とレベル2、レベル3の違いは非常に大きい

 

 

 

2ネガティブ本能:どんどん悪くなっているという思い込み

 

1800年ごろは人類の約85%が極度の貧困層、レベル1の暮らし

 

スウェーデンの人口の五分の一が飢餓を逃れるためにアメリカに渡った。

 

ネガティブ本能を刺激する要因は3つ:あやふやな過去の記憶、ジャーナリストや活動家による偏った報道、状況がまだ悪い時に「以前に比べたら良くなっている」と言いづらい空気

 

狩猟採集社会では殺人率が10%を越えることも多く、相手が子どもであろうが容赦はなかった。

 

「世界は良くなっている」と聞くと「何もかも順調だ」「課題何か知らんぷりでいい」と言われているように感じるのかもしれない。

 

教育を受けた母親が増えると子どもの数も減り、子供一人あたりの教育投資が増える

 

「悪い」と「良くなっている」は両立する

 

悪いニュースが増えたのは、監視の目がより届くようになったからかもしれない

 

 

 

 

 

3直線本能

 

人口が増えるスピードは既に緩やかになりつつあり、これから数十年間は減速する見込みだ

 

すでに子どもの人口は横ばいになっている

 

1900年に15億人だった人口は、2000年に60億人になった

 

実際は貧しい子供を助けないと、人口はひたすら増え続ける

 

現在のエジプトの乳幼児死亡率は2.3%で、これは1960年のフランスやイギリスよりも低い

 

直線グラフ:寿命と所得、

 

S字カーブ:識字率、予防接種、冷蔵庫

 

滑り台:女性1人当たりの子どもの数

 

コブのかたち:虫歯、交通事故による死亡者数、子供の溺死

 

倍増:旅行距離、交通費、二酸化炭素の排出量

 

 

 

4恐怖本能

 

感心フィルター、世の中のすべての情報を学習できる人などいない

 

メディアは、私たちの恐怖本能を刺激することで関心を引く

 

自然災害による死亡者数は100年前の25

 

リスクの過大評価、

 

リスク=危険度×頻度

 

 

 

5過大視本能:「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み

 

2種類の勘違い①数字一つだけをみて「この数字はなんて大きいんだ」とか「なんて小さいんだ」と勘違いしてしまう②ひとつの実例を重要視しすぎてしまう

 

メディアは過大視本能につけ込むのが得意だ

 

中国とベトナムの戦争は2,000年以上、フランス占領は200年間、対米抗戦は20年間。

 

国全体の二酸化炭素排出量を比べるのは不毛だ。ひとりあたりの二酸化炭素排出量について語り合うべきだ

 

 

 

6パターン化本能:ひとつの例が全てにあてはまる、という思い込み

 

インドの教科書は私の教科書より3倍分厚く、インド人学生がわたしより3倍も教科書を読みこんでいる

 

「アフリカの国々」と十把ひとからげにするのがいかに間違っているか

 

一見筋の通った理屈が善意と結び付くと、パターン化の誤りに気付くのはほぼ不可能になる

 

 

 

 

 

7宿命本能

 

IMFの経済予測が、退職年金の投資地域に大きく影響する

 

特定の価値観や振る舞いが文化に根差していて、変わらないし変えることができないという思い込みの一例

 

1960年代、スウェーデンでは中絶が違法

 

アジアやアフリカの国々で見かける「男らしさ信仰」は、たった60年前のスウェーデンで当たり前だった頑固おやじの価値観

 

 

 

8単純化本能:世界はひとつの切り口で理解できるという思い込み

 

世界中の様々な問題に一つの原因と一つの解答をあてはめてしまう傾向

 

「こどもにトンカチをもたせると、なんでも釘に見える」=貴重な専門知識を持っていたら、それを使いたくなる=医療でなにもかも解決できるわけではない

 

ひとつの視点だけでは世界を理解できない

 

 

 

9犯人探し本能:誰かを責めれば物事は解決するという思い込み

 

なにか悪いことが起きた時に、単純明快な理由を見つけたくなる傾向

 

カナダの1人当たり二酸化炭素排出量は中国の2

 

ガイジン病:梅毒=ロシアではポーランド病、ポーランドではドイツ病、ドイツではフランス病、フランスではイタリア病、イタリアではフランス病。

 

犯人を見つけた途端、考えるのをやめてしまう。誰かを責めるとほかの原因に目が向かなくなり、将来同じ間違いを防げなくなる。犯人ではなく、原因を探そう。ヒーローではなく、社会を機能させている仕組みに目を向けよう。

 

 

 

10焦り本能:すぐ手を打たないと大変なことになるという思い込み

 

エボラの道路封鎖で、農村部の人達が切り捨てられたと感じて、政府への信頼が損なわれる

 

今すぐに決めろとせかされると、批判的に考える力が失われ、拙速に判断して行動してしまう

 

原因を追跡するためのデータ、おもに二酸化炭素の排出データとなると、驚くほど少なかった。地球温暖化を気にかけていると言うのなら、きちんと測定すべきじゃないか

 

今すぐ行動を!という訴えには、データを改善することから始めるのが一番いい

 

温暖化難民←温暖化と人口移動の関連性は低い

 

オオカミが来たと叫ぶことではなく、データを整理する

 

現地の人達は、資金欲しさにデータを捏造するかもしれない

 

金融危機:世界でもっとも優秀な経済学者でさえ、先の金融危機を予測できず、その後の回復についても毎年のように予測を外していた。それは、システムが複雑すぎて、正確な予測ができないからだ。

 

未来についての予測は不確かなものだ。不確かであることを認めない予測は疑ったほうがいい

 

 

 

世界は変わり続けている。死ぬまでずっと知識と世界の見方をアップデートし続けなければならない

 

未来の市場はアジアとアフリカにある

 

グーグルとマイクロソフトのCEOはどちらもインドの生まれ育ち

 

ヨーロッパ企業は「ヨーロッパ臭さ」と抑えた方がいい。ロゴにアルプスを入れるのはやめましょうw

 

事実についての質問をしてみれば、知識不足が果てしなく表に出る

 

正確なGPSが道案内に役に立つのと同じで、事実に基づいて世界をみることが人生に役立つ

 

 

 

本能に支配されて事実を無視してしまう人をおとしめても、世の中は良くならない。