p21:2019年3月15日黒田東彦日銀総裁「必ずしも整合的に体系化された理論ではない」
p55:重商主義と対外戦争…最悪の場合…、貴金属硬貨の意義が高まった、
p74:「貨幣乗数」マネタリーベースとマネ―ストックの間の比例関係
p146:租税の目的
①通貨の購買力安定を促進(総需要を減らす)
②富の分配を変える(累進所得税)
③悪い行動を抑止(たばこ税)
④受益者にコスト割り当て(高速道路建設にガソリン税)
悪い税
①社会保障税:雇用抑制効果(ロボットの使用)
②消費税:低所得者ほど消費性向(所得に対する消費の比率)が高い→逆進性
③法人税:A低賃金という形で労働者に、製品の高価格という形で消費者に、転嫁される。B資金調達に際して利息を損金処理できる借入れへの依存度が高まる誘因になる
p160:A失業→財政支出拡大、減税による民間支出の増加Bインフレ→逆
p165:G↑、r↑、円高、EX↓、Y↓
財政支出と金融緩和をセット、G↑+r↓、Y↑
p172:Aインフレ過熱時に必要な、支出削減や増税が政治的に不人気であるがゆえ行なわれにくいB公共事業などで、発注権限をもつ官僚と受注業者との間に癒着が生じて利権が固定化される。富裕層に有利な支出が実行され、結果として貧富の格差を助長。C経済問題を認識して、それに反応するには時間がかかるため、自動安定装置を備えておくことが望ましい
p174就職保証プログラム
①事実上の最低賃金を規定し、民間部門の労働条件を改善する。現在、民間部門で働いている人に転職の機会。民間部門の労働条件は改善。インフォーマル(非合法)部門での雇用の縮小、人種や性別による差別の減少。
裁量的財政政策は、富裕層に有利に働きやすい
②雇用と景気の変動幅を縮小し、マクロ経済を安定化する:労働者の賃金を安定化することで、家計消費、マクロ経済の安定性を高める
③物価の安定をもたらし、通貨価値の土台となる。賃上げ要求が強すぎる場合には、政府の「緩衝在庫」からより労働者を雇い入れることができる。賃金所得の増加がインフレにつながりにくい。
p179就業保障プログラムの問題点
①一定のスキルをもって高い収入を得ている人々の失業問題の解決にはならない
②就業保障プログラムへの参加者の数が景気変動によって増減すれば、同プログラムを通じた公共サービスが、安定的に供給できない
p186:ベーシックインカム
資金調査などを実施する行政コストが不要。受給者側としても、現在の仕事を辞める必要がない。給付が自動的に行なわれるので、給付漏れや、恥辱感(スティグマ)がない。世帯主でなく、個人に給付されるので、家事や育児労働にも報いる。
通貨を無料で提供すると、通貨の価値を激しく低下させ、究極的にゼロに近づける(1990年代のロシア、東欧、トルコ)
同水準を稼いでいた労働者を労働市場から撤退させ、総生産力を低下させ、インフレ圧力が生じる。雇用水準の低下+インフレ=スタグフレーション
ベーシックインカムの購買力は自らがもたらしたインフレによって低下し、給付水準の引き上げ要求が高まり、さらなるインフレ圧力となる。
p197:日本は成功例ではなく、実証例
p204:2002年財務省「先進国の自国通貨建て国債のデフォルトはありえない」「日本政府の債務支払い能力に対する市場の信頼を反映した低い実質金利と整合しない」
p214:企業の過少投資が主導する日本の長期デフレ