「即興噺~インプロビゼーション演劇との融合~」
日時:平成30年10月25日 木曜日
19時開演(18時半開場 20時40分終演予定)
会場:お江戸両国亭 (最寄駅 JR・都営地下鉄大江戸線「両国駅」)
℡03-3833-1789
出演者:落語家4名 インプロ役者2名 計6人
「柳家 花いち」一般社団法人 落語協会所属。柳家花緑一門
「春風亭 昇吉」公益社団法人 落語芸術落語協会所属 春風亭昇太一門
「古今亭 今いち」 公益社団法人 落語芸術落語協会所属 古今亭今輔一門
「桂 笹丸」公益社団法人 落語芸術落語協会所属 桂竹丸一門
「中野 和哉」インプロカンパニー「Platform」所属。
「海原優騎」 劇団しおむすび/インプロカンパニー「Platform」所属。
内容:お題を数題もらっての即席の落語を演ずるの合間に、その落語にインスパイアされた即興演劇、インプロビゼーションを行う。
ねらい:江戸は天明ごろに活躍した初代三笑亭可楽や、幕末の三遊亭圓朝らにより盛んに行われた三題噺や即興落語の伝統を、現代の観衆にも届けたい。さらにその即席落語と、欧米由来の演劇メソッドとしてインプロビゼーションとを組み合わせることで、相互に刺激、共鳴しあう新しい演劇空間を実現させたい。
開場して客入れをする前から、芝居は始まっている。
楽屋では、架空の打ち合わせや喧嘩などのインプロがおこなわれており、出演者は即興空間から逃れることはできない。すべてはかりそめの夢、芝居の空間となる。
開場して徐々に入場する観客は、既に進行している夢の世界に招かれることになる。インプロには本格的な即興芝居の前に、ウォーミングアップのための、単純なゲームのようなプログラムがある。徐々に心をほぐしてゆく。
開演時間の19時ちょうどに、プロのインプロビゼーションの役者が狂言回しとなり、即興噺のお題が何になるか、お題はいくつになるのか、お客様から募集するのか、MCが咄嗟に思いついたキーワードが課されるのか、全てはその場で決まる。お題を決めないだけでなく、お題の出し方を決めない。仕様を決めてしまうと何らかの心の準備ができてしまい、本当のライブ感が失われてしまうためである。
落語家4人が順に即席の落語を披露する合間には、インプロの役者が登場する。そこでは、前に演じられた落語にインスピレーションを受けた芝居、またはオチで終わった落語の続きの芝居を鑑賞することになる。無論、インプロのあとに登場する落語家は、前のインプロ演劇の世界観に影響されることになる。それも観客の目にどう映るか。
これにより観客は、落語による世界の表現と、芝居による世界の表現の両方を味わうことになる。落語とインプロの融合をめざしているが、上手くいこともあれば、失敗に終わることもある。さんまの塩焼きに大根おろし、カレーに福神漬けになれば大成功だが、なんとも食い合わせの悪い代物に付き合わされることになるかもしれない。しかし、それが即興の醍醐味なのではないだろうか。
落語と演劇の組み合わせ、それも即興演劇としての組み合わせは珍しい試みかもしれない。さらに、安易にまとめようとはせず、徹底してライブ感にこだわることで、演者と客は演劇と落語を通して「今」という時空を共有できるのではないだろうか。
出演者 プロフィール
●柳家花いち
1982年 9月24日生まれ、静岡県浜松市出身。
2006年 10月1日 柳家花緑に入門。
2007年 4月11日 前座となる。前座名「花いち」
2010年 9月1日 二ツ目昇進。
柳家花緑の4番弟子。古典落語に加え、花いちワールドが炸裂する自作の新作落語も手がける両刀使い。日々古典を磨く傍ら、毎月新作のネタおろしをするなど、精力的に勉強会を重ねている。(「花いちの観笑地帯」:毎月開催・新作ネタおろしの会、「本日ハ古典ナリ」:隔月開催・古典を磨く会) また、2014年より毎年開催している なかの芸能小劇場での独演会は、4年連続満員御礼となる。
自作の新作に、「狸の紹介」「幸せって」「かわいい指南」「宿へゴースト」「aiko」「ママチャリきょうこ」「鉄拳制裁」など。
紋:剣片喰
出囃子:和藤内
●春風亭昇吉
1979年 岡山県生まれ
2006年 全日本学生落語選手権・策伝大賞
2007年 東京大学総長大賞受賞
春風亭昇太に入門
2011年 二つ目昇進
気象予報士登録
2015年 第一回若手演芸選手権優勝
2016年 北とぴあ若手落語家競演会北とぴあ大賞
2017年 さがみはら若手落語家選手権優勝
放送大学「人生が愉しくなる落語学」講師
大学時代に全日本学生落語選手権・策伝大賞で優勝し、大学卒業時には東大の総長賞にも輝きました。「笑点」や新作落語の旗手として高名な春風亭昇太師匠に弟子入りを許され、厳しい修行時代を経て二つ目に昇進。現在は高座のみに留まらず、気象予報士やテレビ番組の司会等、広範に活動を展開されています。落語家を志してから近年の活躍は、著書「東大生に最も向かない職業(2013年、祥伝社)」に詳しいので、お手に取ってご一読頂ければ幸甚です。
昇吉さんはNPOでのボランティア等と、従来の落語家観を打ち破るべく精力的に様々な場所で自らの価値を問うています。また、日本舞踊の修行、古典落語の修練、新作落語の創作といった落語家たる者の「必修科目」も疎かにせず、古典落語「明烏」の時代考証など、ユニークな取り組みも含め、先人が磨き上げた江戸落語の伝統を大切にされています。
●古今亭今いち
昭和 63 年 8 月 26
日生。東京都出身。千葉大学園芸学部卒。
平成 24 年 8 月 6 代古今亭今輔に入門「今いち」
平成 24 年 10 月中席
楽屋入り
平成 24 年 11 月中席 本前座、初高座浅草演芸ホール「動物園」
平成 28 年 11 月上席 二つ目昇進
先代古今亭今輔、三代目三遊亭円右、大師匠古今亭寿輔、師匠 6 代目今輔と続く新作の一門。自作はもちろん、芸術協会に伝わる「昭和の新作」にも精力的に取り組んでいる。
●桂 笹丸
生年月日 平成1年7月1日
出身地 東京都昭島市
出囃子 七夕様
平成26年3月 桂竹丸に入門 前座名「竹わ」
平成26年4月 楽屋入り
平成30年5月 二ツ目昇進「笹丸」と改名
資格 日商簿記1級
趣味 ヒップホップ、特撮ヒーロー、漫画、散歩
●中野和哉
大学時代より、英語劇、演劇サークルに所属。インプロビゼーションカンパニー「Platform」に参画。劇団だるい所属
【劇団だるい】東京で笑いを中心としたコント・短編集を中心に活動を行っている劇団です。 2007年3月に旗揚げし、これまで、通算13回の公演を行い、2,700名以上のお客様にご観劇いただいております。 また、制作した100本以上の上演台本を公開しており、演劇部・劇団の方々にご利用いただいております。
●海原優騎
平成6年6月10日生。神奈川県川崎市出身。
インプロのワークショップ講師。出演ステージ数は100以上。国際的なインプロの協会の ITI
会員から直接シアタースポーツの指導を受ける。多数のインプロショーの演出と指導の経験がある
【Platform】
「即興役者と台本役者の化学反応」「次世代にインプロ文化をつなぐ」をコンセプトに 2010年8月に結成した即興パフォーマンスチーム。目が離せないような即興パフォーマンスを展開し、常に挑戦し続ける団体です。「道なき未知を遊ぶ。」目が離せないような即興パフォーマンスの展開常に挑戦し続ける団体の姿勢そして、関わるすべての人の人生に「次、どうなるんだろう?」というわくわくを提供するこれがPlatformの使命です。
お客様に対し、「お客様に喜びと明日への活力を提供するために向上心を持ってチャレンジし続ける」「お客様にいただいたアイディアを大切にしともに感動を創る」
演劇に対し、「多くの人にインプロを体感する場と知識を提供しインプロの新しいアプローチ及び新しいパフォーマンスの可能性を広げる」
社会に対し、「人間関係を円滑にするためのコミュニケーションに必要なインプロ技術を提供する」「公演活動を通じて社会を元気にする」
■コンセプト公演 即興シーンの羅列ではなく、1公演がひとつのストーリーとなる演出・構成の本公演がPlatform最大の特色です。即興の良さ、自由度を最大限に引き出すための構成を探求しています。
■役者・ミュージシャン・スタッフで創る、会場を一体化させるパフォーマンス Platformの即興は、お客様といっしょに作り上げることを大切にします。お客様のお題、拍手、笑い声、呼吸、様々な要素に寄り添いながらいっしょに物語をつむいでいきます。ステージと客席の距離感をどこまでも近づけながら、プレイヤーは、お客様が安心してアイディアを出し、「観る」だけではなく「ともに創る」パフォーマンスを楽しめるよう精一杯努めます。また、ミュージシャン・音響スタッフも固定メンバーで常に即興を追求しプレイヤーのみでは成しえない即興性の高いパフォーマンスを実現しています。
■インプロ業界の次世代を担う、若手のための場づくり Platformでは、インプロに魅力を感じ、インプロパフォーマーを目指す方に即興を学ぶ場、他のインプロヴァイザーと交流する場を持ってもらうことを重視し、ワークショップやイベントの運営を行っています。